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港湾区域の水域(公共空地)占用に関する手続き
港湾区域内において又は港湾区域に隣接する地域であつて港湾管理者が指定する区域内において、一定の行為をしようとする者は、
港湾管理者の許可を受けなければならない旨の規定が港湾法にあります。
その一定の行為の中に港湾区域内の水域又は公共空地の占用が含まれます。
許可を得ていないのであれば、何人もむやみに船舶を放置(係留)することはできません。
違法係留の問題においては、昔から係留しているということによる慣習としての管理者はいる水域はあるようですが、法律上は港湾管理者が管理者になりますので「違法係留」のレッテルは付いてしまいます。「お金を払って契約書も交わした」という事情は関係ありません。
港湾区域内の水域(公共空地)の占用をする場合には、申請書等を作成して各港を管轄している港湾事務所や土木事務所(港湾管理者)へ許可申請をする必要があります。
但し、実態としては新規の許可が難しいことが多いので、必ず事前に調査が必要となります。
港湾法には次のような規程があります。
■港湾法第三十七条 (港湾区域内の工事等の許可)
港湾管理者は、前項の行為が、
港湾の利用若しくは保全に著しく支障を与え、又は第三条の三第九項若しくは第十項の規定により公示された港湾計画の遂行を著しく阻害し、その他港湾の開発発展に著しく支障を与えるものであるときは、許可をしてはならず、また、政令で定める場合を除き、港湾管理者の管理する水域施設について前項第一号の
水域の占用又は同項第四号の行為の許可をしてはならない。
要するに「港湾内の秩序を保てない」ということを理由に許可がされないケースが多いのです。
しかし、古くからその水域を占用していたような場合には許可が出ているような事例もありますので、いずれにせよ確認が必要です。
港湾区域内の工事等の許可に関する手続き
港湾区域内において又は港湾区域に隣接する地域であつて港湾管理者が指定する区域内において、土砂の採取や水域施設、外郭施設、係留施設、運河、用水きよ又は排水きよの建設又は改良を行う場合にも上記同様、
港湾管理者の許可を受けなければならない旨の規定が港湾法にあります。
港湾区域内の水域(公共空地)において上記の行為をする場合には、申請書等を作成して各港を管轄している港湾事務所や土木事務所(港湾管理者)へ許可申請をする必要があります。
開発保全航路内の工事等の許可
港湾管理者が管理する港湾区域及び河川法に規定する河川区域以外の水域における船舶の交通を確保するため開発及び保全に関する工事を必要とする航路を、開発保全航路といい、当該航路においてて水域の占用、土砂採取等を行おうとする場合は
国土交通大臣の許可を受けなければならない旨の規定が港湾法にあります。
具体的には下記の航路が政令により開発保全航路に指定されています。
東京湾
中ノ瀬航路
浦賀水道航路
伊勢湾
中山水道航路
瀬戸内海
備讃瀬戸北航路
備讃瀬戸南航路
鼻栗瀬戸航路
来島海峡航路
音戸瀬戸航路
奥南運河・宇和海
奥南航路
細木運河、宇和海
船越航路
関門海峡
関門航路
対馬
万関瀬戸航路
壱岐島
蟐蛾ノ瀬戸航路
平戸瀬戸
平戸瀬戸航路
天草諸島
本渡瀬戸航路
河川利用に関する手続き
港湾法にはそれぞれ定義として次のように規程されています。
まず第一に「
河川」とは、一級河川及び二級河川をいい、これらの河川に係る河川管理施設を含みます。
では、「
河川管理施設」とは、ダム、堰、水門、堤防、護岸、床止め、樹林帯その他河川の流水によつて生ずる公利を増進し、又は公害を除却し、若しくは軽減する効用を有する施設をいいます。ただし、河川管理者以外の者が設置した施設については、当該施設を河川管理施設とすることについて河川管理者が権原に基づき当該施設を管理する者の同意を得たものに限ります。
次に、「
一級河川」とは、国土保全上又は国民経済上特に重要な水系で政令で指定したものに係る河川で
国土交通大臣が指定したものをいいます。一級河川の管理は、国土交通大臣が行います。
「
二級河川」とは、一級河川における政令で指定された水系以外の水系で公共の利害に重要な関係があるものに係る河川で
都道府県知事が指定したものをいいます。 二級河川の管理は、当該河川の存する都道府県を統轄する都道府県知事が行います。
「
河川区域」は、次に掲げる区域を言います。
- 河川の流水が継続して存する土地及び地形、草木の生茂の状況その他その状況が河川の流水が継続して存する土地に類する状況を呈している土地(河岸の土地を含み、洪水その他異常な天然現象により一時的に当該状況を呈している土地を除く。)の区域
- 河川管理施設の敷地である土地の区域
- 堤外の土地の区域のうち、第一号に掲げる区域と一体として管理を行う必要があるものとして河川管理者が指定した区域
河川法に関する各種手続き
河川管理者以外の者の施行する工事等の承認
(河川管理者以外の者の施行する工事等)
第二十条 河川管理者以外の者は、第十一条、第十六条の三第一項、第十七条第一項及び第十八条の規定による場合のほか、あらかじめ、政令で定めるところにより河川管理者の承認を受けて、河川工事又は河川の維持を行うことができる。ただし、政令で定める軽易なものについては、河川管理者の承認を受けることを要しない。
流水の占用の許可
(流水の占用の許可)
第二十三条 河川の流水を占用しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。
土地の占用の許可
(土地の占用の許可)
第二十四条 河川区域内の土地(河川管理者以外の者がその権原に基づき管理する土地を除く。以下次条において同じ。)を占用しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。
申請書類としては下記があります(抜粋)
- 許可申請書
- 事業計画書(概要を記載した書面)
- 位置図
- 土地の実測平面図
- 土地の実測横断図
- 工作物の設計図
- 現況を撮影した写真など
(河川法施行規則第12条)
土石等の採取の許可
(土石等の採取の許可)
第二十五条 河川区域内の土地において土石(砂を含む。以下同じ。)を採取しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。河川区域内の土地において土石以外の河川の産出物で政令で指定したものを採取しようとする者も、同様とする。
工作物の新築等の許可
(工作物の新築等の許可)
第二十六条 河川区域内の土地において工作物を新築し、改築し、又は除却しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。河川の河口附近の海面において河川の流水を貯留し、又は停滞させるための工作物を新築し、改築し、又は除却しようとする者も、同様とする。
以下省略
土地の掘削等の許可
(土地の掘削等の許可)
第二十七条 河川区域内の土地において土地の掘削、盛土若しくは切土その他土地の形状を変更する行為(前条第一項の許可に係る行為のためにするものを除く。)又は竹木の栽植若しくは伐採をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。ただし、政令で定める軽易な行為については、この限りでない。
以下省略
許可工作物の完成検査 及び 許可工作物の完成前の一部使用承認
(許可工作物の使用制限)
第三十条 第二十六条第一項の許可を受けてダムその他の政令で定める工作物を新築し、又は改築する者は、当該工事について河川管理者の完成検査を受け、これに合格した後でなければ、当該工作物を使用してはならない。
2 前項の規定にかかわらず、特別の事情があるときは、同項に規定する者は、当該工作物の工事の完成前においても、河川管理者の承認を受けて、当該工作物の一部を使用することができる。
許可工作物の用途廃止の届出
(原状回復命令等)
第三十一条 第二十六条第一項の許可を受けて工作物を設置している者は、当該工作物の用途を廃止したときは、速やかに、その旨を河川管理者に届け出なければならない。
2 河川管理者は、前項の届出があつた場合において、河川管理上必要があると認めるときは、当該許可に係る工作物を除却し、河川を原状に回復し、その他河川管理上必要な措置をとることを命ずることができる。
許可に基づく地位の承継の届出
(許可に基づく地位の承継)
第三十三条 相続人、合併又は分割により設立される法人その他の第二十三条から第二十七条までの許可を受けた者の一般承継人(分割による承継の場合にあつては、第二十三条から第二十五条までの許可に基づく権利を承継し、又は第二十六条第一項若しくは第二十七条第一項の許可に係る工作物、土地若しくは竹木若しくは当該許可に係る工作物の新築等若しくは竹木の栽植等をすべき土地(以下この条において「許可に係る工作物等」という。)を承継する法人に限る。)は、被承継人が有していたこれらの規定による許可に基づく地位を承継する。
2 第二十六条第一項又は第二十七条第一項の許可を受けた者からその許可に係る工作物等を譲り受けた者は、当該許可を受けた者が有していた当該許可に基づく地位を承継する。当該許可を受けた者から賃貸借その他により当該許可に係る工作物等を使用する権利を取得した者についても、当該工作物等の使用に関しては、同様とする。
3 前二項の規定により地位を承継した者は、その承継の日から三十日以内に、河川管理者にその旨を届け出なければならない。
権利の譲渡の承認
(権利の譲渡)
第三十四条 第二十三条から第二十五条までの許可に基づく権利は、河川管理者の承認を受けなければ、譲渡することができない。
2 前項に規定する許可に基づく権利を譲り受けた者は、譲渡人が有していたその許可に基づく地位を承継する。
ダムの操作規程の承認 及び ダムの操作規程の変更の承認
(ダムの操作規程)
第四十七条 ダムを設置する者は、当該ダムを流水の貯留又は取水の用に供しようとするときは、あらかじめ、政令で定めるところにより、当該ダムの操作の方法について操作規程を定め、河川管理者の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 河川管理者は、ダムで政令で定めるものについて前項の承認をしようとするときは、あらかじめ、関係都道府県知事の意見をきかなければならない。
3 ダムの操作は、第一項の承認を受けた操作規程に従つて行なわなければならない。
4 河川管理者は、当該ダムに関する工事又は河川の状況の変化その他当該河川に関する特別の事情により、当該操作規程によつては河川管理上支障を生ずると認める場合においては、当該操作規程の変更を命ずることができる。
洪水時におけるダムの操作に関する記録の提出
(記録の作成等)
第四十九条 ダムを設置する者は、国土交通省令で定めるところにより、洪水時におけるダムの操作に関する記録を作成し、これを保管するとともに、河川管理者からその提出を求められたときは、遅滞なく、これを河川管理者に提出しなければならない。
管理主任技術者に関する届出
(管理主任技術者の設置)
第五十条 ダムを設置する者は、当該ダムを流水の貯留又は取水の用に供する場合においては、当該ダムの維持、操作その他の管理を適正に行なうため、政令で定める資格を有する管理主任技術者を置かなければならない。
2 ダムを設置する者は、前項の規定により管理主任技術者を選任したときは、当該管理主任技術者につき、国土交通省令で定める事項を河川管理者に届け出なければならない。
渇水時における水利使用の特例の承認 及び 取り行わなくなった旨の届出
(渇水時における水利使用の特例)
第五十三条の二 水利使用者は、河川管理者の承認を受けて、異常な渇水により許可に係る水利使用が困難となつた他の水利使用者に対して、当該異常な渇水が解消するまでの間に限り、自己が受けた第二十三条及び第二十四条の許可に基づく水利使用の全部又は一部を行わせることができる。
2 前項の承認に係る水利使用を行わないこととなつた場合においては、当該承認を受けた者は、遅滞なく、河川管理者にその旨を届け出なければならない。
3 河川管理者は、前項の規定による届出があつた場合又は第一項に規定する他の水利使用者の許可に係る水利使用が困難でなくなつた場合においては、同項の承認を取り消さなければならない。
河川保全区域における行為の許可 及び その地位の承継の届出
(河川保全区域における行為の制限)
第五十五条 河川保全区域内において、次の各号の一に掲げる行為をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。ただし、政令で定める行為については、この限りでない。
一 土地の掘さく、盛土又は切土その他土地の形状を変更する行為
二 工作物の新築又は改築
2 第三十三条の規定は、相続人、合併又は分割により設立される法人その他の前項の許可を受けた者の一般承継人(分割による承継の場合にあつては、その許可に係る土地若しくは工作物又は当該許可に係る工作物の新築等をすべき土地(以下この項において「許可に係る土地等」という。)を承継する法人に限る。)、同項の許可を受けた者からその許可に係る土地等を譲り受けた者及び同項の許可を受けた者から賃貸借その他により当該許可に係る土地等を使用する権利を取得した者について準用する。
河川予定地における行為の許可 及び その地位の承継の届出
(河川予定地における行為の制限)
第五十七条 河川予定地において、次の各号の一に掲げる行為をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。ただし、政令で定める行為については、この限りでない。
一 土地の掘さく、盛土又は切土その他土地の形状を変更する行為
二 工作物の新築又は改築
2 河川管理者は、前項の規定による制限により損失を受けた者がある場合においては、その者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
3 第二十二条第四項及び第五項の規定は前項の規定による損失の補償について、第三十三条の規定は相続人、合併又は分割により設立される法人その他の第一項の許可を受けた者の一般承継人(分割による承継の場合にあつては、その許可に係る土地若しくは工作物又は当該許可に係る工作物の新築等をすべき土地(以下この項において「許可に係る土地等」という。)を承継する法人に限る。)、同項の許可を受けた者からその許可に係る土地等を譲り受けた者及び同項の許可を受けた者から賃貸借その他により当該許可に係る土地等を使用する権利を取得した者について、準用する。
河川保全立体区域における行為の許可 及び その地位の承継の届出
(河川保全立体区域における行為の制限)
第五十八条の四 河川保全立体区域内において、次に掲げる行為をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。ただし、政令で定める行為については、この限りでない。
一 土地の掘削、盛土又は切土その他土地の形状を変更する行為
二 工作物の新築、改築又は除却
三 載荷重が一平方メートルにつき政令で定める重量以上の土石その他の物件の集積
2 第三十三条の規定は、相続人、合併又は分割により設立される法人その他の前項の許可を受けた者の一般承継人(分割による承継の場合にあつては、その許可に係る土地若しくは工作物又は当該許可に係る工作物の新築等をすべき土地(以下この項において「許可に係る土地等」という。)を承継する法人に限る。)、同項の許可を受けた者からその許可に係る土地等を譲り受けた者及び同項の許可を受けた者から賃貸借その他により当該許可に係る土地等を使用する権利を取得した者について準用する。
河川予定立体区域における行為の許可 及び その地位の承継の届出
(河川予定立体区域における行為の制限)
第五十八条の六 河川予定立体区域内において、次に掲げる行為をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。ただし、政令で定める行為については、この限りでない。
一 土地の掘削、盛土、切土その他土地の形状を変更する行為
二 工作物の新築又は改築
2 河川管理者は、前項の規定による制限により損失を受けた者がある場合においては、その者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
3 第二十二条第四項及び第五項の規定は前項の規定による損失の補償について、第三十三条の規定は相続人、合併又は分割により設立される法人その他の第一項の許可を受けた者の一般承継人(分割による承継の場合にあつては、その許可に係る土地若しくは工作物又は当該許可に係る工作物の新築等をすべき土地(以下この項において「許可に係る土地等」という。)を承継する法人に限る。)、同項の許可を受けた者からその許可に係る土地等を譲り受けた者及び同項の許可を受けた者から賃貸借その他により当該許可に係る土地等を使用する権利を取得した者について、準用する。
※2025年1月現在、新規でのご相談・手続きのお受付けを停止しています。なお、情報の利用にあたっては必ず最新の法令をご参照ください。